水中

ここ2週間は、ユーコンを離れて、ハワイでモンクアザラシを求めて彷徨っていた。

もとより、個体数の少ないモンクアザラシを様々な場所で見つけることは、そんなに容易なことではなく、一日中、浜辺を歩きまわる。じりじりと焼け付くような日差しと、突如、激しく叩きつけてくるスコールが、南国の雰囲気をさらに深め、日焼け具合から、誰も北国在住者とは予測できないだろう。

「この動物をこのように撮ろう。」と決め込んでいる時は、必ず600mmの大口径レンズを持ち歩いているが、サブのボディーに標準レンズ等も合わせて背負うと、なかなかの重量となり、高校・大学と部活で培った体力への自信をだんだんと失わせる。
特に動物に思うように出会えなかった日は、この重量が倍増して肩にのしかかる感覚に陥り、このザックを背負って20キロほど歩いた日の夜は、おやすみ3秒で寝ることができる。しかし、普段から寝付きが非常に良いので、寝付きがこれ以上に良くならなくても構わない。

その日も、思うようにモンクアザラシと出会うことができず、落胆しながら浜辺を歩いていたが、夕日を反射させながら光る水面に2匹のアオウミガメを発見した。
キラキラと光る水面に、時々、呼吸のために頭を上げる姿は非常に幻想的で綺麗である。しかし、写真を撮ろうにも、ウミガメの特徴である甲羅は綺麗に写らず、結局よく分からない写真になってしまう。

そこで、
後日、友人からアクションカメラを借りて、シュノーケリングをしながら水中から撮ることにした。

今まで、アクションカメラを使ったことが無かったが、非常に面白い。水族館のような光景がずっと広がっている水中を、手軽で比較的安価なカメラで、写真として切り取ることができるのは魅力的だ。潜った日の海も、白く濁っていたが、それでも思っていたよりも綺麗に写してくれるのはありがたい。

何より、重たい荷物を背負わないで写真を撮る新鮮さに感動した一日であった。

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