まだ9月の初旬というにもかかわらず、気温が一桁の日が続き、アスペンを中心とした黄葉で、山肌の半分は黄色に色づいてきた。
山頂部には、すでに雪が薄く積もり、予報によれば、来週には最低気温が0度まで下がるとのこと。今年も、読書やスポーツの秋を満喫することなく冬を迎えることになりそうだ。
ここ数日は、珍しく天候も安定し気持ちのいい日が続いていた。
街灯の届かない無人の森の中で、時々聴こえて来るアスペンの葉の擦れる音や、フクロウ、リスの鳴き声をに耳を傾けつつ、オーロラを待ってみる。このぼんやりと空を見上げながらオーロラを待つ時間は、この上ない贅沢な時間の使い方だ。静寂に包まれた美しい星空を眺めていると、無条件で心が洗わられる。
夜10時、太陽も完全に沈み完全に暗くなると、北の空にぼんやりとオーロラが現れ始めた。
帯状に伸びいたオーロラは、時折、カーテンのように広がり、ゆらゆらとダンスをしたり、突然頭上を走り抜け、薄ピンク色に変わったりと様々な形に姿を変えていく。
三脚を二台セットし、サブ機のタイムラプスを作動させオーロラの動きの様子を撮影し、あとはメイン機で少し撮影。
空間に広がるオーロラの光りを完全に伝えるには、カメラでは難しい。何枚もの写真を撮ろうとも、この臨場感を完全に伝えることはできないだろう。そう思い、今回も臨場感を楽しむことに全力を注いっでしまった。
今度、誰かにこの感動を伝えるときには、数枚の写真と修飾語の羅列に頼ることになりそうだ。