ご馳走

 

 アメリカにいた頃に、よくグリズリーを探しまわっていたフィールドで、冬眠明けのクマがエルクを食べていたという連絡をもらいました。冬眠が明けたとはいえ、まだ餌の乏しい季節に食べるエルクの肉は彼らにとってどれだけ貴重で美味しいご馳走なのでしょう。
 海や川から遠く離れた山の中で暮らすクマ達は、食事のほとんどをベリー系の植物に大きく依存しています。実際に、昨年会った子たちは、一日のほとんどを他には目もくれず黙々とベリーを食べて過ごしていました。

 そんな普段優しい目をした彼らも、戦いの時には目の色を変えて威嚇し恐ろしい顔つきになりますね。今回のエルクの死体も、独占欲の強い彼らは、満腹になっても横で仮眠をとり、オオカミや他のクマ達に威嚇して自分の御馳走を守ろうとするのではないでしょうか。

そんな緊張感に溢れた場に早く居合わせたいものです。

 

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